2007年読了本一覧-1

(1月)

1◇森博嗣「工作少年の日々」☆☆☆☆☆
 鉄道模型とガレージ制作に飽きることない時間を注ぐエッセイ。
 いままでになく力が抜けていないマニアックな一冊。

2◇辻村深月「凍りのくじら」☆☆☆☆
 離人症っぽい理帆子は、失踪した父・病床の母・挙動不審な
 前カレとの関係に向かい合えずにいる。
 そんな中、カメラマン志望の先輩・一人の少年と出会う。
 誰もが知っている「ドラえもん」をキーワードに進む物語。
 展開が読めるという感触でも楽しめた一冊。

3◇大倉崇裕「丑三つ時から夜明けまで」☆☆☆
 不可能犯罪はすべて幽霊の仕業!?捜査一課の刑事と
 捜査五課「幽霊課」の推理合戦。
 
4◇西加奈子「さくら」☆☆☆☆
 どこよりも結束の固かった家族の崩壊、そして…。
 お母さんの崩れていく様がたいへん哀しい。

5◇大崎善生「タペストリーホワイト」☆☆☆
 学生運動の巻き添えで姉を亡くした主人公に再び巡る悲劇。
 何を正しいと思って生きていくか、を突きつけられた一冊。
 読了後はしばらく陰鬱…。 
 
6◇鯨統一郎「なみだ特捜班におまかせ!」☆☆☆
 野暮な容姿ととぼけた言動のサイコセラピスト探偵・
 波田煌子2作目。

7◇太田忠司「予告探偵・西郷家の謎」☆☆☆☆☆
 300年以上続く由緒ある旧家に届いた「探偵からの犯行予告状」。
 奇矯な言動とむやみに自信溢れる名探偵は謎を解けるのか? 

8◇今野敏「ST(警視庁科学特捜班) 青の調査ファイル」☆☆☆
 心霊番組撮影中におきた怪事件を、特殊技術者ばかり集まった
 STが真相を探る。題名だけだととっつき難そうだったけど、
 謎も複雑でなく、かなり読みやすかった。

9◇今野緒雪「マリア様がみてる クリスクロス」☆☆☆
 バレンタインデーと、デート券をかけてのお宝探し大会。


10◇島田洋七「佐賀のがばいばあちゃん」☆☆☆☆☆
 佐賀に住む祖母の、貧乏だけど明るく前向きで優しい生き方が
 ストレートにぶつかってくる一冊。これが素直に読めなくなったら
 ちょっと問題のある状態かもしれない。 
 まわりの友達や先生のエピソードも含めてスバラシイ作品。 

11◇氷川透「各務原氏の逆説」☆☆
 謎の用務員・各務原氏と、高校で起こった女生徒の死。
 親しい同級生の死に対して、主人公の反応のなさにドン引き。

12・13◇香月日輪「妖怪アパートの幽雅な日常3・4」☆☆☆☆
 妖怪アパートに住む主人公(なりゆき弱小魔法書使い)の日常と成長。 
 小中学生向けなので、字が大きくてページ数が少なくて哀しい。
 巻数は進むけど話はあまり進んでない。

14◇竹内真「図書館の水脈」☆☆☆☆
 「海辺のカフカ」に惹かれた若者と「図書館に住んだこと
  のある」作家と司書の、とても小さな旅。

15◇井上夢人「the TEAM」☆☆☆☆☆
 細木○子ばりに怪しい霊能者と、有能マネージャ、
 調査のプロと、ネットサーチのプロが、依頼人の謎を解く。

16◇川上健一「四月になれば彼女は」☆☆☆
 人生のターニングポイントともいえる、高校の卒業式後の3日間。
 喧嘩に恋に将来に血縁に友情にまつわる忘れられない思い出。

17◇西澤保彦「春の魔法のおすそわけ」☆☆
 泥酔し目覚めれば知らない場所、手元には二千万円入り鞄。
 その時、負け組コンプレックスをかかえた女流作家の行動は!?
 
18◇よしもとばなな「ひとかげ」☆☆
 短編「とかげ」のリメイク作品。まえがきで「デビュー当時に
 書いた小説に固執しすぎないで欲しい(概略)」と書かれて
 いますが、読み比べてみた結論で、 私は旧作「とかげ」のほうが好き。

19◇よしもとばなな「海のふた」☆☆☆
 故郷に帰り、かき氷屋を始めた主人公。
 遺産相続トラブルに悩むイトコとの魂の交流。


20◇香月日輪「妖怪アパートの幽雅な日常5」☆☆☆☆
 魔法書使いの僕と新任の先生たちと大騒ぎの学園祭。
 面白いのでどっかで漫画化してくれないだろうか。
 
21◇島本理生「一千一秒の日々」☆☆☆☆☆
 スローで不器用で一方通行の恋愛を描いた連作短編集。

22・23◇ラルフ・イーザウ「盗まれた記憶の博物館上・下」☆☆☆
 ある日突然記憶を奪われた双子の姉弟、いなくなった父親と
 なくなった記憶を取り戻すためにそれぞれの冒険の旅に出る。
 戦争や宗教の話も多くて、中高生向けファンタジーというには
 真面目すぎるのでは。

24◇山田悠介「スイッチを押すとき」☆
 政府命令で心臓停止装置を付けられ、その起動スイッチを
 持たされ監禁された子供達…。不愉快感しか残りません。
 
25◇柴田よしき「猫探偵正太郎の冒険2 猫は聖夜に推理する」
  ☆☆☆☆
  売れない推理作家の愛猫正太郎と、近所に住むペットたちが
  日常の謎を解く。

26◇あさのあつこ「テレパシー少女蘭 ねらわれた街」☆☆
 転校生に触発され、超能力が目覚めた主人公。
 そんな彼女に謎の怪人が襲いかかる。うんまあ小学生向け。

27◇神林長平「小指の先の天使」☆☆☆
 SF短編集。触れ合えない恋人達・キリンが鳩を食べる動物園
 仮想と現実の猫の違いは?
 
28◇井上夢人「風が吹いたら桶屋がもうかる」☆☆☆☆☆
 超能力者(ただし超小規模)ヨーノスケと理論家イッカクと僕の
 もとにやってくる依頼人?の悩みを解決するようなしないような。
 短編連作を踏まえた毎度のフレーズがたのしい。 

29◇西加奈子「通天閣」☆☆☆☆
 中年で家族もない俺・遠距離恋愛に疲れた私、の日常を
 寂しくも淡々と描いた話。読了後は一抹の寂しさが残る。


30◇氷川透「各務原氏の逆説2 見えない人影」☆☆
 サッカー部員が死亡、理由は?犯人は?
 ロジカルな用務員の逆説推理。
 主人公のキャラ設定の意味が分からない。

31◇本の雑誌・発作的座談会「沢野字の謎」☆☆☆☆☆
 一年に一度は読み返す愉快本。椎名誠氏の友人であり
 天然天才系イラストレータ沢野ひとし氏のイラストに
 添えられている謎の一文を読み解く!
 例文「眠れぬ夜はお前をかじってやる」

32◇辻内智貴「帰郷」☆☆☆☆
 3つの短編とリンクした写真が美しい。三話目は私小説?

33◇米村圭伍「退屈姫君伝」☆☆☆☆☆
 小藩にお輿入れした美貌の姫君が、幕府の陰謀と
 藩の六不思議の謎解きに挑む。
 江戸のイメージを崩さないけど現代風にアレンジした
 語り口は、時代劇物を読まない人にも受け入れやすい。
 「しゃばげ」シリーズが好きな人にはオススメ。 
 
34◇仁木英之「僕僕先生」☆☆☆☆
 少女仙人僕僕先生と、やるきのない青年の出会い。
 中国モノという外見をとっていながら、
 内容としてはライトノベル。装画がたいへんかわいらしい。 
 
35◇絲山秋子「絲的メイソウ」☆☆☆
 あまりにも素直なエッセイ。この「毒」部分で好嫌別れる
 のだなあと。独身で40歳だったら同じような思考かも…。
 
36◇本の雑誌社「沢野絵の謎」☆☆☆☆☆
 「沢野字の謎」と同様のなぞめいた一冊。

37◇坂木司「青空の卵」☆☆☆☆
 名探偵はひきこもり&ツンデレ。自宅から出ようとしない
 (出ないことはない)鳥井と、親友の坂木。
 知り合いから持ち込まれる日常の謎解き。
 ただちょっと被害者及び犯人が語りすぎるきらいも。

38◇鯨統一郎「『神田川』見立て殺人 間暮警部の事件簿」☆
 懐メロに見立てられた殺人事件を、美声警部が
 歌声高らかに華麗に暴く……、っていうか超こじつけ…。

39◇石田千「屋上がえり」☆☆
 屋上からみた景色を細かな描写で語る。
 文学的だけど、親戚の人の話を聞いているようだ。 
 
 
40◇西澤保彦「依存」☆☆☆☆☆
 タカチ&タックシリーズ6作目。メインであるタックの過去と
 その他の仲間達の謎解きが絡まる、シリーズ最高作。
 これから読むよりもシリーズ順に読んでいったほうが良し。

41◇西澤保彦「謎亭論処 匠千暁の事件簿」☆☆☆☆
 日本ミステリ史上屈指の作中酒量を誇るタカチ&タックシリーズ
 7作目・短編集。メンバーの「その後」も分かります。

42◇柴田よしき「猫探偵正太郎の冒険3 猫はこたつで丸くなる」
 ☆☆☆☆
 いつもの正太郎目線だけでなく、正太郎初恋の猫トーマと飼主の
 話も織り交ぜてある。同居人の恋の行方も気になるところ。

  
(2月)
 
43◇米村圭伍「錦絵双花伝」☆☆☆☆
 「退屈姫君伝」のくのいちお仙の物語。
 ↑より、出だしからかなりシリアスです。

44◇恩田陸「中庭の出来事」☆☆☆☆
 中庭の会話・旅人・劇中劇が交錯する、
 演劇か映画を見ているようなイメージ。
 筋道立てて考えると迷宮の様になってしまう。

45◇三浦しをん「秘密の花園」☆☆☆☆
 カトリック女子校の三人の少女の物語。
 あと5ページ分書いて欲しかった。

46◇蒼井上鷹「ハンプティ・ダンプティは塀の中」☆☆☆☆
 留置所でのおかしな謎解き合戦、連作短編集。
 この作者はスッキリ感やほのぼの感をわざと避けてるの?

47◇森博嗣「少し変わった子あります」☆☆☆☆
 不思議なお店で知らない女性と食事する男性の話。
 この状況を楽しめる人というのは少ないだろう。
 
48◇奥田英朗「町長選挙」☆☆☆☆
 精神科医伊良部3作目。破天荒ぶりに慣れてきてしまった。
 
49◇光原百合「最後の願い」☆☆☆
 劇団φの団員集めにまつわる短編連作ミステリ。
 展開が分かりやすすぎて物足りず。
 
  
50◇椎名誠「どうせ今夜も波の上」☆☆☆
 エッセイ・新宿赤マントシリーズ。
 椎名さんもう60歳なんだ…。孫もいるんだ…。しみじみ。

51◇矢口敦子「家族の行方」☆☆☆☆
 酔ったイキオイで失踪人探しを引き受けた推理作家。
 なぜか乗り気な息子とともに、真相を探る旅に出る。 
 
52◇水田美意子「殺人ピエロの孤島同窓会」☆
 孤島で行われた同窓会に突如現れた殺人ピエロにより
 恐怖の虐殺劇が始まる。若干12歳の作者でなければ
 「このミス」特別賞受賞はないでしょう。いまいち。

53◇橋本紡「空色ヒッチハイカー」☆☆☆☆☆
 兄の残した車でヒッチハイカーを拾いながら西へ走り続ける僕。
 たどり着いた先で掴んだ物はなんだったのか。 
 
54◇米村圭伍「エレキ源内殺しからくり」☆☆☆
 将軍暗殺に使われたという謎の機械を、源内の娘が探す。
 武士の悲しさと女の強さの対比のある一作。

55◇井上夢人「もつれっぱなし」☆☆☆☆
 二人の会話のみで話が進む短編集。読みやすい。

56◇吉田篤弘 ☆☆☆☆☆
 「それからはスープのことばかり考えて暮らした」
 路面電車と映画館と教会のある町に住む、無職の僕。
 忙しい生活の中でも昔の呑気さを持ち続けている安藤さん。
 知識と好奇心と賢さを持っている息子のリツ君。
 古い映画館に通い詰め、美味しいスープを作る女性。
 「やっかいよねぇ」が口癖の、頼りがいのある大家さん。
 題も魅力的だし、装画と本文カットがまた良い。
 装画が内容をふくらませ、内容が装画を彩る。
 サンドウィッチと古い映画とおいしいスープ。
 あたたかい湯気やできたてのサンドウィッチの匂いが
 してくる一冊。
 
57◇蒼井上鷹「出られない五人」☆☆☆
 急逝した作家の追悼会のため地下にあるバーに
 やってきた五人。所がそこに突然見知らぬ死体が!

58◇乙一「天帝妖狐」☆☆☆☆
 乙一の「ホラー&ミステリ」と「せつない」が読める
 短編集。読み始めにオススメ。

59◇川上弘美「真鶴」☆☆☆
 失踪してしまった夫を忘れられず暮らす女性が
 「ついてくる女」に呼ばれ舞鶴へ…。
 母としてのゆらぎと女性の焦りがひしひし伝わる。


60◇柴田よしき「猫探偵正太郎の冒険4 消える密室の殺人」
 ☆☆☆
 同居人の突発的な東京旅行に付き合わされた正太郎。
 たまたま預けられた撮影現場でなんと殺人(殺猫)事件が!

61◇島田荘司「UFO大通り」☆☆☆☆
 御手洗潔最新作。中編2作収録。
 「傘を折る女」のほうはこういう展開になるとは思わなかった。

62◇若竹七海「クールキャンデー」☆☆☆
 誕生日の前日、ストーカーに襲われた兄嫁が死亡、さらにその
 ストーカーまでも変死する事件に巻き込まれた中学生の主人公。

63◇光原百合「遠い約束」☆☆☆☆
 大学のミステリ研究会の新入生と、三者三様の個性を誇る先輩
 たちと解く日常の謎。メインの遺言状探しを分割したのは面白い。
 でもどうも私はこの作者と肌が合わないらしく絶賛できない…。

64◇山田正紀「阿弥陀(パズル)」☆☆☆☆
 ビルのエレベータに乗ったまま消えてしまった女性、
 その行方を追って様々な推理と結果が行き交う。
 名探偵・風水火那子シリーズ。

65◇米村圭伍「退屈姫君 海を渡る」☆☆☆☆☆
 めだか姫2作目。夫が藩に戻った途端失踪した?と聞いては
 姫が黙っているはずがない。一作目にも増して藩の危機が!

66◇長沢工「はい、こちら国立天文台〜星空の電話相談室」
 ☆☆☆
 年間一万件を超える国立天文台広報普及室への問い合わせに
 日々真剣に対応する広報マンの奮闘がよく分かる。
 「自分で調べずに安易に電話してくる人の多さにゲンナリ」
 は少々耳が痛いです。

67◇ロアルド・ダール「魔女がいっぱい」☆☆☆
 運悪く魔女の集会に居合わせてしまった少年は
 とんでもない災難に!超ポジティブシンキングな終わり方に
 アゴが外れそうでした。

68◇米村圭伍「風流冷飯伝」☆☆☆
 米村圭伍デビュー作。のんきな風見藩の冷飯(武士の次男坊)
 たちに出世をかけた将棋勝負が巻き起こる。

69◇川上弘美「ざらざら」☆☆☆☆☆
 くせのない恋愛短編集。時々ぱらりと読み返したくなりそう。


70◇北山猛邦「少年検閲官」☆☆もしくは☆☆☆☆
 う〜ん、新境地というかフェアじゃないというか…。

71◇柴田よしき「猫探偵正太郎の冒険5 猫は引っ越しで顔あらう」
 ☆☆☆☆
 同居人と正太郎が東京に引っ越し。引っ越し先の怪談話と
 新しい仲間との冒険。

72◇山田正紀「仮面(ペルソナ)」☆☆
 名探偵・風水火那子シリーズ2作目。
 仮装パーティー会場で起こった密室殺人の謎。

73◇埜田杳「些末なおもいで」☆☆☆☆
 眠れない寒い夜をともに過ごした少年の思い出。

74◇桜庭一樹「少女七竃と七人の可哀想な大人」☆☆☆☆☆
 この作者、どちらかというとなめて読んでましたが、これは
 ハマりました。美少女七竃と友人雪風と放浪の母とその過去の恋人達
 そして老犬。冬の静かな昼間が似合う作品。

75◇光原百合「十八の夏」☆☆☆
 「06年このミス6位」で話も展開も悪くないけどどうしてもだめだ。
 例えれば、雰囲気良くて接客もバッチリでお値段もお手頃でみんなが
 褒める素敵なレストラン、盛りつけも量もバッチリなのに
 なにかが決定的に足りない料理が出てきたような不満足感。
 
76◇梶尾真治「スカーレット・スターの耀奈」☆☆☆☆☆
 SFベースの「泣ける」ファンタジー4編。表題作は電車で読んでて
 ウルルルっとしてしまいました。全タイトルが美麗。
 全編通して主人公の男性の思考が似すぎかな?とは思う。

77◇島田荘司「最後の一球」☆☆☆☆
 悪徳ローン会社の屋上での密室放火事件とその真相。
 すごい簡単な理由で「緋色の署名」を思い出す。

78◇柴田元幸「バレンタイン」☆☆☆☆
 翻訳家・エッセイストとして有名なこの方の、初の短編小説集。
 舞台は日本だし特別変な言葉も使っていないのに、
 なぜか日本じゃない雰囲気が漂う不思議な小説。

79◇井上荒野「学園のパーシモン」☆☆☆
 「生活の瞬間を切り取る確かな筆致に定評」は納得、
 でもストーリーは物足りない印象。


80◇佐藤弘「オブラディ・オブラダ」☆☆
 僕とフルヤ先輩と陽子ちゃんの微妙な三角関係。
 印象に残る場面もあるけど…。

81◇西川美和「ゆれる」☆☆☆☆
 老朽化した吊り橋で起こった事件をきっかけに生じた二組の
 兄弟の葛藤とその結末。映画「ゆれる」の監督自らが小説化。



(3月)

82◇米村圭伍「紅無威おとめ組・かるわざ小蝶」☆☆☆
 親方の敵討ちを狙う小蝶・美貌の若旦那・色気ある発明家
 男装の麗人が松平定信の隠し財産を狙う。かなり軽い話。

83◇齋藤孝「発想名人」☆☆☆☆
 「声に出して読みたい日本語」作者のエッセイ集。
 「ネガティブな意見を言ってる暇があったらアイデアを出せ」
 
84◇森見登美彦「太陽の塔」☆☆
 彼女なし大学生5人の鬱屈した冬の過ごし方。
 勢いのある「NHKにようこそ」みたい。

85◇柄刀一「時を巡る肖像 絵画修復士御倉瞬介の推理」☆☆☆
 連作短編集。絵画修復士が出会う謎と悲しみ。
 画家“天眼の朋明”氏が超格好良い。

86◇吉田篤弘「空ばかり見ていた」☆☆☆☆☆
 放浪の床屋・ホクト氏のショートストーリー。

87◇加納朋子「モノレールねこ」☆☆☆☆
 猫の首輪の文通や、のんきな叔父さんとの生活などの短編集。

88◇桂望実「県庁の星」☆☆
 研修でスーパーマーケットに移動させられたお役所人間、
 目に余る無軌道ぶりに怒り爆発!果たしてスーパーを
 良い方向に導いていけるのか?カタストロフィさは特に無い。

89◇星野智幸「植物診断室」☆☆☆
 子供に懐かれる植物好きの主人公、ある家族との出会いで
 少しずつ何かが変化してゆく。ツキノモノと言ってしまう程
 欲を分断してしまうのはかなりもの悲しい。


90◇よしもとばなな「人生の旅をゆく」☆☆☆
 エッセイ集。出産後のエッセイはちょっと性に合わないかも。

91◇村上春樹「レキシントンの幽霊」(再読)☆☆☆☆
 収録短編「トニー滝谷」の映画も素晴らしかった。

92・93・94◇沖方丁 ☆☆☆☆
 「マルドゥック・ヴェロシティ1・2・3」
 「マルドゥック・スクランブル」以前。猟奇だけど凄い。
 /の使い方がスピード感煽って感じられる。
 元狙撃手クルツと見えない犬オセロットが超かっこいい。
 「マルドゥック・スクランブル」を再読したくなる。

95◇水森サトリ「でかい月だな」☆☆☆
 19回小説すばる新人賞。親友に突然崖から突き落とされた
 主人公、入院退院の間に世界が少しずつおかしくなっている。
 <満潮>までに何かを掴めるのだろうか?

96◇文藝春秋編「私の死亡記事」(再読)☆☆☆☆
 各界著名人が自らの「死亡記事」を執筆。
 人生の自己評価や葬儀・その後の対処は様々で興味深い。

97◇レスリー・デンディ+メル・ボーリング ☆☆☆
 「自分の体で実験したい〜命がけの科学者列伝〜」
 危険な実験を金を使って他者に試すのではなく、自分を実験台にし
 危険を顧みず驚くべき結果を発見してきた「モルモット科学者」たち。
「あぶり焼になった英国紳士」「袋も筒も骨も飲み込んだ男」等。
 
98◇椎野美由貴「バイトでウィザード2」☆☆
 謎の黒獅子を使役する風紀委員とのバトル。

99◇森福都「十八面の骰子」☆☆☆☆
 天帝密使が中国各地でおきた事件を解決に導く連作短編集。
 名前と装画の印象で、難解な中国時代物だと思ってたけど
 実際はかなり読みやすい。挿絵を入れて新書で出したら売れるよ。


100◇笠原靖「名犬フーバーの新幹線、危機一髪!」☆☆☆☆
 元刑事で名エキストラの長源寺と名犬フーバー第三作。

101◇森見登美彦「きつねのはなし」☆☆☆
 狐面やケモノ、骨董屋にまつわる連作短編集。

102◇万城目学「鴨川ホルモー」☆☆☆☆
 京都の大学に伝わる謎めいた競技「ホルモー」、
 恋と戦いと友情に翻弄される主人公。
 表紙絵だけでラストが分かってしまうマイナスはある。

103◇大倉崇裕「白戸修の事件簿」☆☆☆☆
 「巻き込まれ型探偵」の災難な生活。連作短編集。
 ハードカバー「ツール&ストール」→文庫本「白戸修の…」に改題。

104◇殊能将之「樒/室」☆☆☆
 名探偵二人が16年後に同じ場所で出会う、似て非なる謎。

105◇北山猛邦「『クロック城』殺人事件」☆☆
 世界の終わり・過去現在未来を示す時計・人面の壁・眠り姫
 11人の天使・特殊部隊。設定を納得したあたりで終わってしまった。

106◇浅井柑「三度目の正直」☆☆
 性同一障害のなな子・ちぐはぐな家庭に戸惑う少女たち、の2短編
 表題作はブツッと途切れすぎでガッカリ。

107◇茅田砂湖「大鷲の誓い デルフィニア戦記外伝」☆☆☆
 若き日のナシアス&バルロの話。「その後」もちょっと分かる。

108◇石持浅海「セリヌンティウスの舟」☆☆☆
 ダイビング仲間の突然の死。一枚の写真から気づいた不審点。

109◇北山猛邦「『アリス・ミラー城』殺人事件」☆☆☆
 10人の探偵と孤島の奇城で起こる不可思議な密室殺人。
 最後は納得できるようなできないような。
 「クロック城」より以前の話ってことでいいのかな。


110◇小路幸也「HEARTBEAT」(再読)☆☆☆☆
 10年後の約束の日に現れなかった彼女を捜す「委員長」。
 二つの物語はどこで交差するのか?
 近々続編がでるらしいので再読。

111◇菅野雪虫「天山の巫女ソニン1」☆☆☆☆☆
 「夢見」の巫女になれず下山した少女ソニン。
 王子殺害のぬれぎぬをはらすべく、一人孤独な旅に出る。
 イメージとしては十二国記みたいなかんじ。

112◇田中芳樹「夏の魔術」☆☆
 謎の汽車に乗せられ着いた先は奇怪な館。
 そこに待ち受けるモノとは!?四部作一作目。

113◇菅野雪虫「天山の巫女ソニン2」☆☆☆☆
 落ちこぼれ巫女ソニンが隣国で出会う、訳あり王子と姫。
 自らの知識によってまたしても陰謀に巻き込まれる第二巻。

  
(4月)
 
114◇辻由美「図書館であそぼう」講談社現代新書 ☆☆☆ 
 困った時の情報検索のヒント、レファレンス利用のコツ等。
 インターネット普及以前の著書なので今とは感覚が異なる部分も。

115◇山田正紀「雨の恐竜」☆☆
 最近刊行の中高生向け「ミステリーYA!」
 幼なじみだけど疎遠になってた三人の少女たちそれぞれに
 「恐竜が犯人の殺人事件」の謎がふりかかる。

116◇平田俊子「ピアノ・サンド」☆☆
 ピアノと暮らす夢を果たせない女・昏睡状態で眠る母を見つめる女。
 どんな展開でも希望の光が見えないような印象。

117◇芦原すなお「わが身世にふる、じじわかし」☆☆☆☆☆
 売れない小説家のぼくと料理上手な妻(名探偵)の美味しそうな
 料理と名推理に彩られた連作短編集第三作。

118◇上橋菜穂子「精霊の守り人」☆☆☆☆☆
 女用心棒バルサが偶然救った皇子を巡り、王国の命運を分ける
 騒動に巻き込まれていく。守り人シリーズ1作目。

119◇上橋菜穂子「闇の守り人」☆☆☆☆☆
 女用心棒バルサは生まれ故郷に戻る決意を。しかしそこで
 養父の汚名をそそぐどころか大変な騒動に巻き込まれる。
 守り人シリーズ2作目。
 

120◇折原一「タイムカプセル」☆☆☆
 「ミステリーYA!」10年前に埋めたタイムカプセルを
 掘り出そうという案内が、ある秘密をかかえた6人に届く。

121◇樋口直哉「大人ドロップ」☆☆☆☆
 僕とハジメの友情・僕と彼女との恋・焼き付いた夏の思い出。

122◇上橋菜穂子「精霊の木」☆☆☆☆
 滅ぼされた一族の末裔の少女が、957年前に旅立った先祖との
 約束のため、惑星政府と対決を決意する。
 萩尾望都のSFに似てるかも。

123◇今野緒雪「マリア様が見てる・君をみつけて」☆☆☆
 最新刊。数えるの面倒だから通し番号つけてよコバルト文庫。
 瞳子のドリル頭の謎が解けました。

124◇谷川流「涼宮ハルヒの分裂」☆☆
 旧友との再会・別口4人組・ハルヒの動揺?

125◇永井義男「戯作者 滝沢馬琴 天保謎解き帳」☆☆☆
 盲目となった馬琴が、息子の嫁を助手にして安楽椅子探偵に。
 面白いんだけど、なんか暗い印象。

126◇伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」☆☆☆
 短編集。作品内リンクも勿論あり。カカシが出ないのが意外だった。

127◇森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」☆☆☆☆☆
 ひよこ豆のように小さくキュートな乙女が好奇心一杯に古都を探検!
 片や彼女の引力に捕まり、遠心力で加速度のついた厄介に巻き込まれる
 先輩の恋心は乙女に通じるのか!? 天狗の樋口氏が格好いいなァ。

128◇上橋菜穂子「夢の守り人」☆☆☆☆
 守り人シリーズ3作目。薬草師タンガが<花>の魔手に捕まった。
 女用心棒バルサの苦悩と、大呪術師の過去、チャグムの決意で
 タンガ救出はできるのか?

129◇上橋菜穂子「虚空の旅人」☆☆☆☆
 皇太子として隣国に旅だったチャグム、そこで起こる
 呪術師の絡んだクーデター。


130◇日日日「私の優しくない先輩」☆☆☆
 病弱なわたしの爆走気味片思い。
 ひねってくるのかと思いきや、そのままでした。

131◇芦原すなお「ハート・オブ・スティール」☆☆☆☆
 謎の死を遂げた夫の後を継いで探偵となった笹野。
 次々とやってくる厄介な依頼と、淡々としたなかに透けて見える
 女の哀しみがセツナイ一冊。

132◇樋口直哉「月とアルマジロ」☆☆
 無職の僕に預けられたアルマジロ。自分の番号につながる携帯。
 「マヨラーはあれどもケチャッパーはないんだ」という一文
 しか特に印象に残ってない。

133◇赤城毅「猫子爵冒険譚 血文字GJ」☆☆
 1920年代のベルリンで起きる奇怪な殺人事件。
 旧友を殺され事件を追ううちに事件に巻き込まれた女伯爵を
 救うべく乗り出した超絶の美青年魔術師。
 装画は漫画版「ビッグオー」の有賀ヒトシ氏。

134◇時雨沢恵一「アリソン2〜真昼の夜の夢」☆☆☆
 優秀な学生ヴィルと飛行機乗りアリソンが巻き起こす
 アドベンチャーストーリー。

135◇上橋菜穂子「神の守り人 来訪編」☆☆☆
 女用心棒バルサと人買いに連れられた兄妹と出会う。
 兄妹と<おそろしき神>を巡っての逃亡が始まる。

136◇上橋菜穂子「神の守り人 帰還編」☆☆☆
 <おそろしき神>の力に翻弄される少女、国家のタブーに
 触れるカリスマ指導者との戦いの結果は?

137◇畠中恵「まんまこと」☆☆☆☆
 江戸は神田の古名主(町内の厄介事を裁定する町内会長の職)
 その跡継ぎのお気楽息子が色々持ち込まれる妙な事件を
 のらりくらりと解決していく。
 
138◇上橋菜穂子「獣の奏者1 闘蛇編」☆☆☆☆☆
 保身のために殺された母と、辛くも処刑を免れた娘、
 巨大な蛇と神聖な獣に象徴される二つの民族。
 怪我をした王獣と心を通わせたい娘の試行錯誤と葛藤。

139◇上橋菜穂子「獣の奏者2 王獣編」☆☆☆☆☆
 均衡の崩れた二つの民族と、出自に関わる大きな謎、
 自分の信じたことを貫くために、心の通じた王獣を裏切り
 死を覚悟した娘。終わりなのか続くのか??


140◇上橋菜穂子「蒼路の旅人」☆☆☆☆
 敵国と父王の罠と知りながら皇太子チャグムは少しでも
 良い道を探るべく、新たな旅に出る。

141◇田島斗志之「症例A」☆☆☆☆
 症例判断に悩み続けるきまじめな精神科医と、
 狛犬の謎をめぐる学芸員の調査が交差する長編小説。
 
142◇藤野千夜「ルート225」☆☆☆
 微妙にズレたパラレルワールドに迷い込んでしまった
 中学生の姉弟。元の世界と繋がるのは残り度数のないテレカだけ。

143◇佐々木俊介「模像殺人事件」☆☆☆☆
 良くない因縁を持つ孤立した一族、そこに失踪したはずの
 長男が「二人とも」包帯で顔を包んだ奇怪な姿で帰ってきた!
 探偵小説としてはひどく古風な世界を描きながら、舞台は現代。
 舞台設定では横溝正史にオマージュを捧げつつも、必要以上に
 強調しない、「ひっそり」とした印象の一冊。
 デビュー10年後にしてようやくの2作目らしい。

144◇松尾由美「九月の恋と出会うまで」☆☆☆☆
 一風変わったアパートに引っ越した主人公、通風用の壁の穴から
 「一年後の隣人」の声が聞こえてきた!?
 SF要素の絡んだラブストーリー。考え詰めず気楽に読もう。

145◇雫井脩介「クローズド・ノート」☆☆☆☆
 前の住人の忘れ物(日記風ノート)を見つけた主人公、
 ふとした拍子でその中身を読み、「先生」と「生徒」の関係に
 なってゆく。友人との三角関係、新たな恋、将来の不安に揺れ
 続ける主人公の考えがちょっと理解しにくい部分も。
 巻末の「参考文献」まで読んでほしい。

146◇北村薫「玻璃の天」☆☆☆☆
 昭和初期を舞台にした「街の灯」ベッキーさん続編。
 美しい日本語と、戦争に向かう日本の世俗も描く。

147◇星野智幸「虹とクロエの物語」☆☆☆
 虹子とクロエと胎児と吸血鬼ユウジの章が織りなす
 不思議な友情と愛情の物語。

148◇結城昌子「画家の手もとに迫る原寸美術館」☆☆☆☆☆
 題名通り画家がその眼でみていたであろう距離まで肉迫し
 筆の動きや絵の具の厚みが読み取れる画集は珍しい。
 作品解説も読みやすく、適度な分量なのが良い。

  • 最終更新:2016-05-20 11:35:37

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